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TVや雑誌で紹介されるなど、静かなブームを呼んでいるグラスリッツェン。
ダイヤモンドの粉末が付着しているペン先(針)をつけた、特殊なペンを使って、軽くガラスの表面を削るようにして、彫っていきます。わずかなスペース、簡単な道具があれば、身近なグラスやお皿がオリジナリティあふれる素敵な作品に変身するのがグラスリッツェンの魅力のひとつです。

ここでは技法、道具の揃え方などについて簡単にご紹介します。


グラスリッツェンの道具
専用のホルダーに【針】を装着して、彫っていきます。
針の形には、丸(球)、つぼみ(炎)形、台形、などがあり、彫る範囲の広さ、出したい効果によって使い分けます。

ホルダーに装着したところ
   
針の形 左から、つぼみ(炎)、丸(球)、台形
  • 【丸】は、輪郭をとったり、線彫り、点刻、など、幅広く使えます。最初に針を1本だけ買ってみるとしたら、これをおすすめします。
  • 【つぼみ形】は、広い範囲を彫るとき、ホワイトトーン(白く、全体的に彫りつぶすとき)などに使います。
  • 【台形】は、ペン先が細いので、輪郭線を修正したり、細かいところを彫るのに使用します。
道具の入手先
グラスリッツェンに使用する【針】は、スイス製、アメリカ製、先生方が独自に開発されたもの、など、いろいろな種類があります。ダイアモンドの粒子の細かさによって、ガラスに当てた時のひっかかり具合が違いますが、その人の筆圧、どういう素材に彫るかにもよるので、一概にどのメーカーがいいとは、言えません。私の教室では、用途、カリキュラムの進み方に合わせて、3つのメーカーの針を使用しています。

東急ハンズ、ユザワヤなど、大型ホビーショップで取り扱っていることが多いようですが、通信販売でも入手可能です。

※ 最近は100円ショップなどでも売っていたりするそうですが、あまり安いものは、ダイヤモンドの粒子が粗く、なめらかな線、美しいグラデーションが出せないので、手彫りにはおすすめできません。

その他に用意するもの
  • 黒い布(下に敷くと、彫った線が見やすくなります)
  • セロテープ(図案をグラスに貼るときに使います)
  • はさみ(モチーフを切ります)
  • おしぼりタオル(グラスの中に詰めて、モチーフを安定させます)
  • 油性のなるべく細いマジック
  • ティッシュペーパー(削りカスをぬぐいます。手で払ったり、吹いて飛ばすと危険です。ガラスに傷がつくことも。)
  • カーボン紙(内側にモチーフを貼れない素材のとき、輪郭を写すのに使います。球、細い花瓶など)
  • 消毒用アルコール(マジックで描いた線を消すときに。マニキュア除光液より、爪が傷みません)
彫り方
ガラスの表面をごく浅く、傷つけることによって、絵を描いていきます。
"Glasritzen"の"ritzen"とは、ドイツ語で「引っかく」という意味ですが、その名のとおり、彫るというよりは、引っかくというほうが近いかもしれません。(「音が気になる」という声も聞きますが、キーキー、ガリガリ、音がするのは力の入れすぎです)
1. モチーフ(図案)を切り取り、グラスの内側にセロテープで止め、適当に丸めたお絞りタオルを詰めて、モチーフがグラスに密着するようにします。
2. 丸(なるべく細いもの)形のペンで、輪郭線をなぞります。力を入れ過ぎないように。向きによってやっと見えるくらい薄めに書く方が仕上がりはきれいです。
3. タオル、モチーフをはずし、彫り始めます。葉脈の方向、花びらの繊維の方向などに気をつけながら、彫っていきます。彫り始めに力が一番、かかります。例えば、花びらを彫る場合は外側に針を置き、中心に向かって力を抜くようにすると、自然なグラデーションになります。
4. 出っ張っているところ、光があたっているところを白くする、ということを頭に置きながら、全体を仕上げます。

◆◆ 気をつけましょう!◆◆

グラスの縁から1〜1.5センチのところは、”ひずみ”があるため、非常に弱いという性質があります。 ぎりぎりまで絵を入れると躍動感が出て、おしゃれですが、気をつけないと割れやすくなります。初心者の方は、このエリアには絵を入れないほうがいいでしょう。

慣れてきても、油断は大敵です。ちょっと力を入れすぎたら・・・ご覧のとおり。 5ミリくらいのヒビが、見る見る間に広がって、輪切りになってしまいました。

ガラス素材
おすすめの素材

グラスリッツェンに最も適しているのは、クリスタル製のガラスです。
クリスタルは柔らかいため、針の消耗も少なく、透明感があり彫った線がきれいに出ます。多少、彫りごこちは硬いのですが、日常的に入手しやすいソーダガラス、カリガラスなどにも彫れますので、気に入った形の素材に彫ってみるといいでしょう。カットが入っていない、なるべくシンプルなものを選びましょう。

向かない素材

基本的にはガラスであれば、何にでも彫れますが、ジャムの瓶、ワインなどの瓶、厚手の耐熱ガラス、強化ガラスは、避けた方がいいでしょう。非常に硬く、力を入れすぎると彫ったところが雲母のようにはがれることもあり、仕上がりも美しくありません。

色付きガラス

色つきのガラスは彫った線が見えにくいため、一般的にグラスリッツェンではあまり使用しませんが、ごく淡い色の素材はモチーフによっては効果的な場合があります。濃い色のものでも、金や銀の塗料を塗り込んだりすると素敵な作品になります。

色被せガラス

透明なガラスの表面に薄く色ガラスを被せてある「色被せガラス」は、彫ったところが白く浮き出し、コントラストが美しいのが魅力ですが、なかなか手に入らないのが難点です。切子やサンドブラスト用の素材は、被せてあるガラスが厚いため、グラスリッツェンには向きません。

ガラス以外の素材

鏡、アクリルなどにも、彫ることができます。 針に負担はかかりますが、柔らかい金属(傘のネームプレートなど)にも彫ることができます。